知らない間に「獣○いいね!」に垣間見る、現代の「ソーシャル」クラック

一部で話題になり、恐怖と混乱と同情の渦を巻き起こしたFacebookのとある騒動。ある有名なスポーツ選手が獣姦動画を「いいね!」したフィードがタイムラインに流れ、その人間性が疑われてしまったという悲しい出来事がありました。
いわゆるクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRFXSRF)というセキュリティ脆弱性によく似た事象なわけですが、ユーザが気付かない間に「いいね(Like)ボタン」を押したことにしてしまうというものです。

これは
SNSにログインした状態のまま
・悪意のあるサイトを開いてしまう
といった場合に発生します。

TwitterのおかげでURL短縮サービスなども一般的になり、URLリンク先が全く想像できないということも増えました。
本人にそのつもりがなくてもいかがわしいサイトを一瞬開いてしまう、なんてことも少なからずあり得るわけです。
(「これおもしろいよ!」みたいなつぶやきと一緒に貼られたURL・・・あまり深く考えずに開くこと、ありますよね)

つまりこれはどんな人にでも起こり得るわけです。

ひと昔前に「最先端のハッキング」としてソーシャルハッキングという手法が紹介されました。
例えば電話でIDとパスワードを聞き出す、金融機関を装ったメールで口座番号を書かせる・・・パスワードを入力している手元を盗み見るなんていうアナログな手法もソーシャルハックのひとつかと思います。

今ではそんな手法も有名になり、引っ掛かる人は少くなっていると思いますが、そこで出てきたのがこの新たなCSRF脆弱性を突いたもの。
本人に全くその気がなくても、ログインしっぱなしにしていたSNS風評被害が広まってしまうわけです。
mixiFacebookといったSNSが普及し有名になった現代ならではの現象かと思います。
よく知らない人が見たらその人間性を疑うでしょう。まさに「ソーシャルクラック(人間関係破壊)」と言えます。

対策としては、もうユーザ自身が仕組みを理解し、日頃から意識するしかありません。
ソーシャルハッキング対策と同じ、知識の問題です。パッと思いつく対策としては

・見る時以外はSNSからログアウトするようにする
・いかがわしいサイトを見ない(ちょっと現実的じゃないですね!)
・とにかく疑ってかかる
SNS(もしくはエロサイト巡り)は別のブラウザや専用アプリでしかやらない
・用途で端末を分けてしまう

もちろん面倒が増えますし、別サービスとの豊富な連携こそがSNSの楽しみ方とも言えますので、それを殺してしまうのも忍びないという人もいると思います。
もし地雷を踏んでしまっても「いいね」については自分で取り消しできますので、「こまめに自分のフィードもチェックしておく」というのも、ひとつの対策と言えるかもしれません。

また別のアプローチとして、「ソーシャル」クラックに対抗する「ソーシャル」な解決策というのもあるかもしれません。
どんな変なものをいいね!しても見られ方が変わらない友人がたくさんいれば良いとも言えます。
何をしても変わらない人間関係があれば、相対的には問題ありません。
私は獣姦はちょっと理解できませんが、そういうのが大丈夫な人も探せばたくさんいると思いますので・・・

まぁ最後は半分冗談ですが、新しいサービスが流行れば新しい穴もある、ということ。
特にシステム屋なんかをやってる人は引っ掛かると余計にハズカシイので、気をつけましょう。わたくし共々。